水素燃料電池ドローンの研究開発を開始 <初号機2時間飛行・60kgペイロード目標>

株式会社向陽社(代表取締役 川島 紳慈)は、太陽光・風力・小型モジュール炉(SMR)・蓄電などのクリーンエネルギー分野でのコンサルティング実績と国内外の技術ネットワークを土台に、数年来取り組んできた水素燃料電池(H2FC)および産業用ドローンの要素技術に関する研究・検証の成果を統合することで、水素燃料電池を動力源とする次世代産業用ドローンの研究開発プロジェクトを始動しました。

本プロジェクトは、エネルギー転換と脱炭素が加速する中、持続可能性と事業性の両立を可能とする新たな空中モビリティの実現を目的としており、環境負荷の低減とともに、既存ドローンではカバーしきれなかった運用領域の拡張を視野に入れています。


[初号機 目標スペック(開発中)]

  • 連続飛行時間:最大 2時間
  • 最大ペイロード(積載量):60kg
  • 耐環境性能:-40℃環境下での飛行
  • 動力:空冷式水素燃料電池(搭載予定)
  • 開発スケジュール:2026年中のプロトタイプ完成を予定

[想定ユースケース]

本機は、長時間飛行・大容量積載・低温対応といった特徴を備えたプラットフォーム型ドローンとして、以下のような分野での活用が想定されています。

(開発段階での検討例)
  • 山間部・島嶼部における物流/物資輸送
  • 大規模インフラの点検・監視(送配電設備、風力・太陽光発電設備など)
  • 災害発生時の広域情報収集・緊急輸送
  • 極地・低温環境下における特殊ミッション支援

今後は、実証・社会実装の進捗にあわせて、さらに幅広い産業領域への応用を視野に入れています。


[開発方針]

本機は、空輸にとどまらず多様な産業領域への応用可能性を持つ“次世代ドローンプラットフォーム”として、開発・設計が進められています。従来は対応困難だった領域へ、電動ドローンの運用を拡張していくことが、主要な開発コンセプトです。

  • 燃料電池の高エネルギー密度を活かした長時間飛行・最大ペイロードにより、既存のバッテリードローンの業務領域を拡張
  • 空冷式の採用による構成の簡素化と整備性・耐寒性能の向上
  • 量産・実運用フェーズを見据えた安全性・信頼性設計の確立

本プロジェクトは、向陽社の掲げる「最新のエネルギー技術とビジネスを結びつけ、持続可能性と収益性の両立を追求する」という姿勢を、モビリティ領域へ拡張する取り組みです。今後は、戦略的パートナー企業や自治体・研究機関との連携を通じて、実証から社会実装、量産体制の構築までを段階的に進めてまいります。あわせて、長時間飛行と操作性の両立を目指し、水素ドローンの小型化に取り組みます。

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